職場体験

今日からはじまる小学校の職場体験。
先生への憧れがあり絶対ここしかないと思い応募した。
一日目は、教室の後ろにたって授業を見学するだけなんだけど、突然入ってきた自分という異物に向けられる好奇の視線、それによって、スムーズに進んでいるとは言いがたい授業。
ベテランのおばさん先生でも、新たな興味の対象が入ってくるだけで、こんなにも大変な状況になるのだなと感じた。 
お昼の前の4時間目の授業の途中、まだ昼食までは少し時間がある。
空腹も相まって、子どもたちの集中力が切れてくる時間だ。
後ろの扉から学年主任(女)が顔を出し、ジェスチャーで廊下へ出るように促される。
「あの……なにかありましたか?」
「もうすぐお昼でしょ?うちの学校、生徒の目線に立ってもらうために、一緒の格好をして配膳してもらうの。はい、これ。」
そう言って渡されたのは、給食着が入っていると思われる袋。
「ちょっと遠いけど、職員室の横に女子更衣室で着替えてもらえるかしら。朝、着替えてもらったところね。わたしも職員室に戻るから、一緒に行きましょう。」
「配膳と言っても、子どもたちに付き添って様子を見るだけだから、そんなに萎縮しなくてもいいわよ。」
わたしの不安に気づいたかのように言葉をかける先生。
そうこうしているうちに、更衣室へ着いた。
「それじゃ、授業が終わるのを目処に教室につくようにしてね。」
そう言って、職員室へと入ってゆく先生。
「あっ、一応、大人用のサイズだけど、サイズが合わなかったら言ってね。わたし、職員室にいるから。」

わたしは給食着を袋から取り出すと、そのまま更衣室の机に広げる。
中に入っているのは、給食着とシャワーキャップみたいな帽子、それからビニール袋に入った未開封のマスク。
「あー懐かしい。でも、これ、高校生になってから着るものじゃないよね。」
給食着を手に取り、そのまま羽織りボタンをとめる。
「……サイズは問題ないんだけど、これ、やっぱり華のJKが着るものじゃないよ……。」
更衣室に置かれた姿見を見ると、子供っぽさと大人っぽさが入り交じっていて、少し間抜けな感じ。
ゴム袖で絞られた腕とか、機能性はいいのだろうけれど、なんか、幼稚園児の制服を着せられているようで、幼児プレイを強要されているかのような恥ずかしさに、思わず赤面する。
「あとは、この帽子をつけて……ううんっ……髪の毛でモコっとなるし、ゴムの締め付けでおでこにゴムの跡がついちゃいそう。それに、やっぱりシャワーキャップみたいでやだぁ。」
それでも、学校の方針なんだから、文句は言ってられない。
高校生でも、子供のお手本となるような大人でなくてはいけないし、適当にやったら将来先生になる時にも関わる。
「……やっぱり、耳までいれないとダメだよね。」
そうなると、先にマスクをつけたほうがいい。
先ほど、机に置いたマスクの袋を手に取る。
不透明で真っ白なパッケージには何も印字されておらず、業務用を思わせるそのマスク。
「……やけに分厚いなぁ。交換用に何枚か入ってるのかな。」
そんな疑問を持ちつつ、袋のパッケージを開ける。
中から出てきたのは、昔ながらのガーゼのマスク。
ただそれは、大人用のそれの更に一回り大きいのではないかと思うほどの分厚く大きなマスク。
紐も細いものではなく、ゴムの平紐で、まるで拘束具の様相だ。
「なに……これ。こんな大きなマスク、見たことない……。」
思わずつけるのを躊躇してしまうけれど、時計を見ると、悩んでいるほど時間がない。
思い切ってマスクを口に当てて、紐を耳にかける。
あれだけ大きく分厚いマスクに、更に中布として分厚くガーゼが詰められていたので、息を吐くと、マスク全体に熱がまわって少し息苦しい。
マスクの上部には、ワイヤーが入っているらしく、折り曲げることで隙間をつくらないように曲げる。
「……あれ?」
マスクが大きすぎるのか、ずれてきてしまう。そういえば昔、ヒモが伸びきってしまったマスクをしてきた子がいて、逐一マスクがずれては直してはを繰り返していたっけ。
結局、片手でマスクを抑えて配膳をしてたけど……って、そんな思い出に浸っている場合じゃない!!
「……これ、どうしよう。」

「あの……先生。」
時間もまずいので、職員室にいる学年主任の先生のところに相談に行く。
「……あら、どうしたの?給食着のサイズがちょうどいいみたいね。よく似合ってるわよ。」
先生はニコッと笑ってそう言うけれど、そういう言葉は羞恥心を煽るだけだ。
あいにく、他の先生は出払っているらしく、学年主任の先生しかいなかったことが唯一の救いだ。
「あの……マスクのほうなんですけど……大きすぎてずれちゃうんです。」
そう言ってわたしは、マスクをつけてずれる現状を見せる。
「……ごめんなさい。去年、男の子のときに小さすぎたから、フリーサイズで頼んだんだけど、やっぱり女の子には大きすぎたかしらね。ちょっと貸してね。」
先生は、わたしからマスクを受け取ると、太い紐を切って短くしてしまう。
かろうじて耳にかかる程度に。
「はい、できたからつけてみて。」
手渡されたマスクをつけてみる。
「うぐっ……。」
くっ……苦しい。
伸縮性のない生地が顔をぎゅっと押し付ける。
先生、きつすぎますっ!!
適当に紐を短く切ったから、マスクが本当に拘束具のように食い込んでいる。
「あら、いいじゃない。それなら大丈夫よ。」
なにがいいのだろうか、こんなに締め付けられて、これじゃまるで猿轡だ。
「そろそろいい時間だから、ロッカーの戸締まりしたら、すぐに教室に向かってね。」
「……はい。」
分厚いマスクに阻まれ、くぐもってしまった声は、果たして先生に届いたのだろうか。
再び更衣室。
姿見にうつるのは、全身白ずくめのわたし。
給食着、給食帽も恥ずかしいけれど、なによりこのマスク。
顔のほとんど、目の下から顎まですっぽり覆ってしまっているマスク。
ほとんど目くらいしか出ていない、本当に白ずくめだ。
なんか、不審者みたいで恥ずかしい。

「ふーっ、ふーっ。」
お昼前の校内を歩く。
少し早めに授業を終えたクラスからは、喧騒が聞こえる。
それでも、チャイムが鳴るまで教室外に出ないことを徹底されているためか、廊下に人影は見当たらない。
歩きはじめると、いつもはなんともないことでも、分厚いマスクに阻まれているせいで、呼吸が苦しい。
加えて、そんなマスクの締め付けが、他の部分の締め付けも意識させる。
手首のゴム襟、給食帽のゴム。
そんな締め付けすら……恥ずかしくなってくる。
全身を白ずくめにされて、ガチガチに縛られて、こんな……変態みたいな格好をさせられているわたし。
息苦しさと締め付けに顔を紅潮させつつ、なんとか教室の前にたどり着く。
教室につくと同時にチャイムが鳴り、隣のクラスから我先にと飛び出してくる男児
「やったー!きゅうしょくだ~!!……あっ……。」
勢い良く飛び出してきたところで、わたしと目が合う。
先ほどの勢いはどこへやら、一瞬ギョッとした顔をすると、怯えるように言う。
「あっ……あの~……こんにちは~……。」
こんにちはってなんだよ、こんにちはって……。
「はい、こんにちは~。」
分厚いマスクに阻まれてひどくくぐもった声が出てしまった。まるで、布団に思い切り顔を押し付けて声を出したかのような。
マスクと給食帽の僅かな隙間から覗く目は、精一杯
「あの~……すごくくるしそうだけど……すきでそんなかっこうしてるんですか??」
「っ!?」
格好のことを言われて、恥ずかしさに思わず目を見開いてしまう。
「ひっ!?ごごごごめんなさ~い!!」
……やってしまった。
「少し騒がしいけど、なにかあったの~?」
教室から、担任の先生が出てくる。
わたしの担当の先生で、一回り年上くらいだろうか。
学校側の配慮で、同性の先生を割り振ってもらえた。
「って……あれ?あおのさん……ですよね。」
きょとんとした表情を浮かべて、こちらを見る先生。
「……はい。」
「顔がほとんど隠れててわからなかったわ。それじゃ、配膳の子と一緒におねがいしますね~。おーい、あおのさん来たから一緒に行ってあげて~。」
はーい、という声が聞こえ、配膳の子と牛乳配達の子が出てくる。
「あおのせんせい、おねがいしま~す。」
「……は~い、私この学校のことはよくわからないから、色々教えてね~。」
かがんで目線を合わせて、そう言う。
相手の目線に合わせるというのは、多感な時期の子供にとって有効なことだ。
……なんてことを冷静に考えられないくらいだけど、戸惑いを感じさせないように、極力平静を保つ。
目だけでもうまく笑えたと思いたい。

「ふーっ……ふーっ。」
……苦しい。
運動部員の中には、マスクをして肺活量を鍛える人もいるけれど、今、その気分をまざまざと味わっている。
「せんせー、すごくくるしそう。だいじょうぶ?」
さっきから苦しげに荒い呼吸を繰り返しているわたしに、ひとりの女の子が心配する。
「うん、大丈夫だから、大丈夫……。」
「でも、せんせーのますく、すごくおっきいし、かおがみえないよ?」
子どもたちがつけているのは、わたしが小学生の頃つけていたガーゼのマスクではなく、使い捨ての蛇腹状のものだ。
今は、子供サイズも出ているし、無邪気な子供にとって汚れはつきものだから、使い捨てのほうが何かと便利だったりする。
「っ!?……大丈夫……大丈夫……だからね?マスクのことはね?」
マスクの事を指摘されると、戸惑ってしまう。
だって、自分でも普通じゃない格好をしているのがわかるのだもの。
幼稚園児だったら、こんな大きなマスクに覆われた人を見たら、怖くて泣きだしてしまうかもしれない。
しかし小学生といえど、まだまだ子供。
心配も少なからずしてくれているのだろうけれど、見たことのないものへの好奇心もあるだろう。
マスクのことをピンポイントで訊いてくるのがその証拠だ。
「……うん、でも、せんせーのおかおがみえなくて、ちょっとさびしい。」
「心配してくれて、ありがとうね。でも、大丈夫だから。」
精一杯強がって、安心させるように笑顔を浮かべる。
本当は、全身白ずくめの自分を妄想して、さっきから、マスクの締め付け、ゴム襟と給食帽の締め付けが相まって、体がほわほわとしている感じ。
気を引き締めようと、両手で頬をパンパンと叩くと、マスクの生地の感覚がした。

給食室。
子どもたちはせっせと配膳台におかずやらごはんやらを乗せてゆく。
あくまで付き添い。
子どもたちが危ないことをしない限り、手を貸すことはしない。
自分たちでやることが重要なのだ。
牛乳係の子は、牛乳の入ったケースをもらうと、先に教室に戻って、今頃は、配っている頃だろうか。
ちょうど手のすいた頃なのか、給食のおばちゃんが声をかけてくる。
「あら、今年の子はは女の子なのねぇ。」
もう、女の子と言える歳でもない気もするけれど、年上の人からすれば、いつまでも女の子なのだろう。
「えぇ、将来先生になりたくて……。」
「あら、そうなの。去年は男の子ばかりだったからねぇ。おばちゃん嬉しいわぁ。」
そう言って、嬉しそうに笑う。
給食のおばちゃんが着ている服は、わたしのものと違って、普通に襟のついたもので、ゴム袖じゃないもの。
シャワーキャップのような帽子は、三角巾に変わっており、これなら大人が着ても違和感がない。
マスクは、よく見る使い捨てタイプで、至って普通の食品を扱う人の格好だ。
「給食の実習はいいと思うけれど、いくら気持ちを知るためとはいえ、小学生と同じ格好をさせるのはちょっとって思うわ。やっぱり少し恥ずかしいでしょ?その格好。」
「……えぇ、正直、ちょっと恥ずかしいと思うこともあります。」
「そうよねぇ、あなたみたいにかわいい子だったらいいんだけど、去年来てた男の子なんて、ちょっとかわいそうなんじゃないかなぁ、なんて思ったりね。」
「はぁ……。」
男の子でこんな格好させられたんだ……それに比べたらわたしなんて……。
「まぁ、本人は楽しそうだったからいいんだけど。どっちにしろ、わたし、教育委員会の人間じゃないからこんなこと言ったって仕方ないんだけどね~。」
凄いなぁ、その男の子。
「でも、あなたもそんな大きなマスクつけさせられて、かわいい顔がほとんど見えないわねぇ。」
「……えっ!?」
「せんせ~!おわったよ~!!」
「あっ、準備終わったみたいよ?はやく行ってあげて。」
唐突に切り上げさせられたおばちゃんとの会話は、最後に、自分の格好の異様さを意識させられた。
恥ずかしい白ずくめの格好……その余韻を引きずって、元気に配膳台を押す子たちの後ろを、どこか夢遊病患者かのように追いかける。

得体の知れない白い物体(わたし)を、興味本位でちらちらと見ては通りすぎてゆくクラスの子たち。
配膳のときは、後ろに立って、彼ら彼女らの様子をじっと観察するだけ。
はっきり言って手持ち無沙汰。
そうなると、さっき意識してしまったマスクと給食着と給食帽の締め付けの感覚をより強く意識してしまう。
それがまた、自分が今、全身白ずくめだということを意識させたりして、マスク越しに吐出される吐息が顔をじんじんと暖め、恥ずかしさが増していく
「これ、せんせーのね。きょうはわたしたちのところでたべるからもってくね。」
「……ありがとう。」
なんとか笑みは浮かべられただろうか。

Yシャツが汚れてはいけないので、帽子だけとって、そのまま席につく。
キツキツのマスクを外すと、分厚い生地に阻まれていた、こもった息がむわっと溢れだす。
給食帽で乱れた髪を手櫛でとかすと、少し汗ばんだ肌をハンカチで拭って、何事もなかったかのように澄ましてみる。
顔の紅潮が残ってないか心配だけど、あいにく自分の姿を確認できるものはない。
「いただきます!」
当番の号令を復唱して、給食を食べ始める。
給食着は着たままだけど、あの給食帽と禍々しいマスクを外せただけでも良かった。
「せんせー、なんであんなにおっきなマスクをしてたの?」
さっき給食を運んでくれた女の子が、本当にわかりませんといった顔で聞いてくる。
「えっ?あれ?いや……あれはね?」
いつの間にか、雑談していたはずの、同じテーブルを囲っていた子たちもわたしに注目している。
……まさか、そこを突いてくるとは思わなかった。
そうだ、子どもたちは見たことのないものに強い興味を示すんだった。
「だって、あんなにかおのかくれるマスクをしている子、ほかにいないよ?せんせー、なんかふしんしゃみたい。」
「っ!?」
先ほどの自分の姿を思い出して、思わず赤面し、顔がこわばってしまう。
「……せんせー、こわい。」
涙目でこっちを見る女の子。
「……ごめんねぇ、先生、お腹が空くと、怖い顔になっちゃうの。それを隠すためなの。ほら、みくちゃんも怖かったでしょ?」
「……うん、凄く。」
「だから、先生の怖い顔でみんなを驚かせないために、ああやって隠しているの。」
「……そうなんだぁ。ごめんね、せんせー、あんまりいいたくなかったでしょ?」
ホッとしたかのように息を吐くと、安堵の笑みを浮かべるみくちゃん。
我ながら強引だけど、どうやら納得してくれたようだ。
「ううん、あんな格好してたら、だれでも不思議に思うもん。仕方ないよ~。」
あんな格好……全身白ずくめの異様な姿……みんなに見られて恥ずかしい……

「じゃあ、先生は着替えてきてくださいね。慣れないことで大変だったでしょうから、お昼休みはゆっくり休んでもらってもいいですから。」
「……はい、ありがとうございます。」
配膳の片付けが終わったあと、お役御免を言い渡されてる。
本当に疲れた。
あんな恥ずかしい思いをさせられて、心身ともにくたくただ。
「……でも、あれは傑作だったなぁ。怖い顔を隠すためだなんて……。」
ぼそっとつぶやく担任の先生。
「聞いていたんですか!?」
「……さーて、わたしは次の時間の準備をしなくっちゃ♪」
わたしの言葉に返事をよこすこともなく、教室の中へと消えていった先生。
「あぁ……聞かれてたのかぁ……。」
往来のある廊下であることを忘れて、思わず頭を抱える。
今日だけでどれだけの黒歴史ができてしまったのだろう。
職場体験は大変だ。

 

再び更衣室。
「ふっーつかれた。」
そうつぶやいて、ジャージに着替える。

「ただいまぁ~……。」
いつものように、鍵をあけて家に入る。
「……そっか。父さんと母さん、今日は帰ってこないんだっけか。」
なにやら、結婚記念日とかで、仕事が終わったらそのまま出かけるのだそうで、いい年してお熱い限り。
姉は、もう家を出てはたらいているし、家にはわたし以外誰もいない。
「あーっ!!!」
誰も家にいないことをいいことに、自室のベッドにダイブする。
ベッドがドスンと音をたてて沈む。
「……しんど。」
明日も職場体験は続く。
このまま寝てもいいように、明日の準備だけはしておこう。
そう思って、まずは明日の持ち物を確認しなければいけない。
「あと、これも必要だなぁっと……で、給食着……明日も使うのかなぁ。」
思わず持って帰ってきてしまった給食着。
小学生の頃は、当番の間、丸々置き去りにしている子も多かったけど、今じゃ、洗わずにおいのついたものを使い続けるのには抵抗がある。
「……洗うか。明日までには乾いているだろうし……。」
取り出す給食着と給食帽。
それにまみれて、あの凶悪なマスクがぽろっと落ちる。
「あっ……さっきのマスク……。」
どうしてそれを手にとってしまったのかわからない。
当てガーゼがたくさん詰められたそのマスクは、まだ若干の湿り気を帯びていた
そのままマスクの紐を耳にかけると、昼の息苦しさが戻ってくる。
「ふぅんっ!!」
思わず声をあげてしまう。
一瞬、冷静に戻ってあたりを見回すも、そういえば今日は家に誰も居ないことを思い出す。

 

 

私の愛用マスク


 



家庭科実習2

家庭科実習前日

あおの家ではうきうきで花柄のエプロンにアイロンをかけて三角巾を入れ不織布マスクをマスクケースに入れて準備していた

 

ゆい家では大きな鏡の前でメイドのエプロンをして写真を取っていた

満足したゆいはエプロンを脱いで

ゆい「お母さん、アイロンかけといて」

ゆいはお母さんへ頼み寝てしまった

 

 

家庭科実習当日

あおのは家庭科実習が楽しみだったので少し早く起き学校へ向かった

 

ゆいはいつも通りギリギリに起き大急ぎで走って学校へ向かった

 

ゆい「ぎりぎりセーフ」

ゆいはチャイムが鳴りながら教室へ入ってきた

あおの「おはよ、家庭科の実習楽しみだねぇ」

ゆい「あ、やばい、エプロン家に忘れてきた」

あおの「やばいじゃん」

ゆい「先生が貸してくれるから大丈夫だよ」

ゆいは余裕をかましていた

 

2限が終わり3限は家庭科実習

休憩に入りエプロンを先生から借りるために2人で家庭科準備室に向かった

こんこん

ゆい「失礼します エプロンを忘れてしまいました」

先生「もぉ毎回1人は絶対に忘れるんだから」

先生は笑いながら言った

先生「忘れたのはエプロンだけ?」

ゆい「エプロンと三角巾とマスク忘れました」

先生「全部かいな、もぉちょっと待ってね」

先生は奥の方へ探しに行った

先生は奥の方から戻ってくると白いものを持っていた

先生「はい、どうぞ」

先生から貰ったのは白色の巾着袋だった

先生「エプロンと三角巾、マスク全部その中に入っているから」

ゆい「ありがとうございます」

ゆいは先生から巾着袋を貰い着替えるために家庭科室に向かった

 

巾着袋を開けると白色の布が畳まれて入っていた

広げてみるとなんと給食当番のときに着ていた白衣だったのだ

しかも三角巾ではなく下の写真のような帽子がはいっていた

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ゆい「えぇ、給食当番の白衣じゃんか!超ダサいんだけど」

ゆいは私に向かって不満そうな顔をして言ってきた

私「しょうがないよ、忘れちゃったんだから」

私はなだめるように言った

私「マスクは入ってないの?」

そう聞くとゆいは巾着袋の中を探し始めた

中から出できたのはなんとガーゼマスクだったのだ

ゆい「なんでガーゼマスクなの?こんなダサいのつけれないよ、先生に変えてもらお」

ゆいは文句をたらしながら家庭科準備へ向かった

 

ゆい「先生、他のエプロンないですか?」

先生「どうしたの?」

ゆい「給食当番みたいで嫌なんですけど」

先生「忘れたんだからしょうがないでしょ」

ゆい「だって〜恥ずかしいんだもん」

先生「それしかないんだから我慢しなさい」

先生は少し怒りながら言った

ゆい「せめてマスクだけは変えてください、お願いします」

先生「マスクもそれしかないから我慢して」

先生「新品だから問題ないでしょ」

先生がイライラしてきてるのを感じゆいはあきらめた家庭科室へ戻った

 

ゆいが家庭科室へ肩を落としながら入ってきた

私「どうだった??」

ゆい「他にないから我慢してだって、マスクは新品だから問題ないでしょって」

私「残念だったね、私は予備持ってないけど持っている人ならマスク借りたら?」

そう提案してみた

ゆい「たしかに」

ゆいは周りの人に聞き始めた

いろんな人に聞いていたが持っている人はいなくマスクを貰うことができなかった

ゆいは諦めて着替えはじめた

白衣を手に取り頭から通して手を通し着た

帽子も手に取り広げながら頭につけた

前髪ははみ出ており横からも髪の毛が出ていた

前髪を手で整え

ゆい「もぉ最悪だよ」

ゆいは愚痴を漏らし続けた

ゆいはあんなに嫌がってたガーゼマスクに手を伸ばした

ゆい「この生地ホントやだ」

ガーゼの部分を顔に当て紐を耳にかけた

ゆいの見た目は給食当番そのものの姿だった

ゆいは小さな声で「恥ずかしいよ」とつぶやいた

そういうゆいを私はまじまじと見ていた

 

 

キンーコンーカーコーン

チャイムがなり先生が準備室から出てきた

日直「起立、礼」

みんな「お願いします」

日直「着席」

先生「はい、では調理実習を始めていきたいと思います」

先生「まずは身だしなみからです」

先生「髪はしっかりしまいマスクは鼻まで覆うようしましょう」

先生「はい、ゆいさんしっかりと身だしなみを整えてください」

ゆいの髪は帽子から出ているし鼻出しマスクをしており早速注意されたのだ

ゆい「はい」

ゆい「もぉダサいから髪しまいたくなかったのに」

小さな声で返事し文句を言いながらマスクを鼻まで上げて前髪をしまい横の髪の毛もしまった

先生「ゆいさん、耳までちゃんとしまってくださいね」

ゆいはまた返事をして耳までしまった

 

先生「今日は野菜炒めを作ります」

先生が話している最中私はゆいのことを見ていた

あんなに恥ずかしがり、嫌がっていた格好にさせられているゆいが気になったのだ

ゆいのガーゼマスクは大きいのかだんだん下がって来て鼻出しマスクになっていた

その度にマスクを鼻の上まであげて直していた

先生からの説明が終わり班ごとに別れるためゆいと一緒向かった

私「マスク大きくない?」

ゆい「そうなの、マスク大きくてすぐ下がってきちゃう」

やっぱりゆいのガーゼマスクは大きかったのだ

私「鼻出しマスクすると怒られちゃうから気をつけないとね」

ゆい「そうだね」

そんな会話をしながら向かった

 

班は私とゆい、男子2人の4人だった

早速男子2人がゆいの格好に突っ込んできたのだ

男子「ゆいの格好給食当番みたいで懐かしいな」

ゆい「だよねぇ懐かしいよね」

男子「高校生にもなってガーゼマスクは子供みたいだな」

ゆい「全然そんなことないよ」

ゆいは平然と返しているように男子からは見えたと思うが私はゆいがすごく恥ずかしがって返事してるように見えた

 

私と男子1人は野菜を切る係にゆいともう1人の男子は野菜を洗う係に別れた

ゆいは男子とも仲良くよく話す方だが今日は無口でさっさと野菜を洗っていた

私はゆいを気にしながら作業をしていた

ゆいの大きいマスクはまた段々と下がってきてきては直していたがタイミング悪く

先生「ゆいさん、マスクを鼻までちゃんとしなさい」

先生「何度言ったらわかるの?」

ゆい「すみません」

ゆいはすぐにマスクを鼻まで上げ直した

その後も何度もマスクが下がってきては鼻まで戻していた

 

野菜炒めを作り終わり

ゆい「やっと白衣が脱げるよ」

ゆいはすぐにガーゼマスクを外し帽子を取り白衣を脱いだ

あおの「脱ぐのはやっ」

私が少し驚いていると

ゆい「こんなダサいの着ていられないよ」

ゆいは解放されて嬉しそうだった

野菜炒めを食べ1週目の家庭科実習は終わったのだ

 

 

私の愛用マスク


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家庭科実習1

私は普通科に通う華のsjkのあおのだ

高校生活にも慣れ始めたある日の家庭科の授業

先生「来週のから3週連続で調理実習を行います」

男子「えぇー」

女子「やったぁー」

男女で相反する声が上がった

私は家では手伝いで料理をすることが多く楽しみにしていた

学年で一番可愛いと噂されているゆいちゃんと楽しみだねぇと話していた

先生「次の授業ではエプロンと三角巾とマスクを忘れないようにそれでは授業を終わります」

みんな「ありがとうございました」

授業が終わり

ゆい「家にエプロンないから休みの日にエプロンとか買いにいかない??」

私「私もないから買いにいこぉ」

ゆい「じゃあ10時にあおのちゃんの家行くね」

私「うん、わかった!!」

ゆいとエプロンを買う約束をした

 

 

休みの日

ピンポーン

私「はーい」

ゆい「おはよう」

私「おはよう さあ行こぉ」

私とゆいは近くのショッピングモールへ出かけた

ついてすぐにプリクラを取りお昼ご飯を食べてエプロンを探した

ちょうどコーナーが出来ておりたくさんのエプロンが並んでいた

ゆい「うわぁたくさんあるね」

私「どれにしようか迷っちゃうね」

ほんとにいろいろな種類のがあり可愛いのも多くどれにしようか真剣に悩んでいた

そんなある時

ゆい「ねぇこれ懐かしくない?」

私はゆいの方へ振り向くと上から下まで下の写真のように真っ白になっていたマネキンが目に入ってきた

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しかもガーゼマスクがつけられており小中学校の給食当番を覚えだすような格好をしていた

私「ホントだぁ懐かしいね!給食のとき着てたやつじゃん」

ゆい「私、給食当番嫌いだったんだよね」

私「え?なんで??」

ゆい「だって全身真っ白になるしこの帽子をダサいし髪崩れちゃうし一番嫌だなのはあのガーゼマスクちょーダサくない?」

私「そうかな??」

私は全然気にしていなかった身なので考えたことがなかったけど今考えてみるとたしかにダサいなって思った

ゆい「ガーゼマスクなんかゴワゴワするし縮んでくるし嫌いなんだよね」

たしかにゆいは給食当番の時8割くらいの人が小学校ではガーゼマスクで中学生になるタイミングで不織布マスクになるけど小学校の高学年になるときにはもう不織布マスクをつけていた

ゆい「もうあんなの一生着たくない」

と言いながら違うのを見に行き私は花柄のエプロンゆいはメイドっぽいフリフリの可愛いエプロンを買った

 

 

私の愛用マスク


 

 

 

 

 

 

家庭科実習4

家庭科実習3日目の最終日前日

この日も雨が降っていた

 

私もゆいも前日からしっかりと準備をし忘れないようにしていた

ゆいとのラインで

私「エプロン忘れないでよ」

ゆい「わかってるって」

私「エプロン、三角巾、マスクいれた?」

ゆい「ちゃんと全部入れたよ」

私「時間に余裕持って来なよ」

ゆい「はいはいわかってる!」

寝る前に二人で確認をした

 

次の日雨はすっかり止んでおり晴れていた

私もゆいも早く起き一緒に登校することにした

二人で楽しく雑談しながら歩いていると前からトラックが走ってきて水溜りに溜まっていた水がとんできたのだ

私とゆい「きゃあ」

私もゆいもとっさにかからないように避けた

私はリュックが少し汚れただけで済んだがゆいは外側を歩いていたので制服も手提げ袋も汚れてしまった

ゆい「もぉ最悪汚れちゃった」

私「雨の次の日は良くないね」

私達は汚れを落とすため早歩きで学校に向かった

 

学校につき

私はリュックが汚れただけなので拭いて終わったがゆいは制服が汚れていたので体操服に着替えた

手提げ袋も汚れてしまったので中身を取り出すと中に染み込んでおりエプロンが汚れていたのだ

三角巾もマスクも茶色くなっておりとても着られる状態ではなかった

ゆい「またエプロン借りないといけないじゃん」

私「今回はしょうがないよね」

ゆい「でも前回次忘れたら成績ないって言われたし」

ゆい「あおのがわすれたことにしてくれない?お願い???」

私「えぇ??」

私は驚いた別に忘れたから借りるのはいいけどあんなにゆいが嫌がってた給食当番の白衣を着てガーゼマスクをするのは絶対に嫌だった

ゆい「一生のお願いだから」

私は渋々了承をした

 

 

2限が終わり家庭科準備室へ二人で向かった

私「失礼します」

私「エプロンを忘れたので貸してください」

先生「今回はあおのさんが?」

私「はい、そうです」

先生「ゆいさんはちゃんと持ってきたの?」

私「は、はい」

先生は奥へ取りに行った

先生「はい、どうぞ」

私「ありがとうございます」

先生から巾着袋をもらった

 

家庭科室へ向かいゆいは私のエプロンを着始めた

私は渋々巾着袋を開け白衣、帽子、ガーゼマスクを取り出した

白衣を着て帽子を着用した

ガーゼマスクは洗濯して前よりもさらにシワシワになっていた

ガーゼマスクを顔に当て紐を耳にかけようとしたが

私より顔が小さいゆいの大きさでマスクの紐が縛られておりすごくきつきつの状態でガーゼマスクをつけることになった

私「なにこれきっつ」

ゆい「ごめんきつくやりすぎて」

私「大丈夫気にしないで」

そう言ったがあんなに嫌がってた給食当番の格好をさせられきつきつのガーゼマスクをさせられるのはすごく恥ずかしかった

周りの男子からは「ゆいよりもあおのの方が似合ってるね」って言われてすごく恥ずかしく顔が熱くなった

ゆい「たしかに私より似合ってるよ」

そんなことを言われゆいを少し嫌いになった

 

授業が始まると違う先生が入ってきた

先生「今日は授業の風景を撮って行きますが気にせずにいつもどおりに過ごしてください」

私「そんな、こんな恥ずかしい格好なのに写真を取られるなんて」

心の中で私はすごく嫌がっていた

 

今日はペペロンチーノだった

班ごとに席が別れて作り始めていた

そして私達の班にもカメラを持って先生が回ってきた

パシャパシャと取られものすごく恥ずかしかった

他のみんなはエプロンをして不織布のマスクをしているのに私だけ給食当番の白衣にガーゼマスクの格好をしており早く次の班に行けって思っていたが

先生「はい、写真を取るから集まって」

私達の班だけ料理をしている姿だけでなく4人で撮らなくてはいけなくなったのだ

先生「ハイチーズ」

ゆいと私そして男子2人と写真を撮った

先生「白衣姿似合ってるね」

写真を取ったあとそう言われた

私は嬉しくなかったが

私「ありがとうございます」

そう返した

 

 

ペペロンチーノを作り終えエプロンを脱ぎ始めた

私もきつきつのガーゼマスクを外したかったのですぐに外したすると

男子「あおの紐のあとついてるよ」

ゆいと同じようにマスクの紐の跡がくっきりついており

私「きついんだからしょうがないじゃん」

私は怒りながら返した

ペペロンチーノを美味しく食べ家庭科実習は幕を落とした

 

 

私の愛用マスク


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家庭科実習3

家庭科実習2週目前日この日は台風の影響で大雨だった

 

帰りの会では

担任「明日は家庭科実習がありますので忘れずにエプロン等持ってきてくださいね」

担任「特にゆいさんわかりましたね?」

ゆい「はーい」

ゆいは元気よく返事した

 

家に帰り

前回の家庭科実習を思い出していた

ゆいの給食当番の格好にガーゼマスクをして恥ずかしがってる姿は絶対にしたくないと思い何回も確認して準備をした

 

ゆいは前回の反省を活かし前日からしっかりと準備をし始めた

ゆい「絶対にあんな思いはしたくないから忘れないぞ!」

言葉にしながら準備をした

 

 

翌日

今日も台風の影響で大雨が降っていた

私は雨が降っていたので早めに出かけた

ゆいも早く起きたって連絡が来たので迎えに行くことにした

ピーンポーンゆいの家のチャイムを鳴らした

出てきたゆいはまだパジャマだった

ゆい「ねぇゆっくりしてたらまだ準備できてないよごめんね」

私「急いで急いで」

私「先に行ってるよ」

ゆい「わかった!!」

私に追いつくため急いで準備した

慌ててたため傘だけを持ち玄関を出てしまった

またエプロンをゆいは忘れてしまったのだ

そんなことは気づきもせず走って学校へ向かった

 

 

私はもう学校についていた

ゆいはまたギリギリで学校に到着した

ゆい「また今日もギリギリになっちゃったよ」

私「いつも通りって感じじゃん」

前回エプロンをゆいは忘れていたので今回は忘れてないだろうと思ったが一応聞いてみることにした

私「エプロン忘れずに持ってきた??」

ゆい「昨日ちゃんと準備したから大丈夫だよ」

ゆいは笑いながら答えたが探しても見つからない

私「まさか??」

ゆい「急いでたせいで忘れちゃった」

ゆい「またあんな恥ずかしい格好したくないよ」

ゆい「ねぇお願い、あおのの貸してくれない?」

そんなことを言われ私は少し驚いた

私もあんな恥ずかしい格好したくないのにと思い

私「ゴメンだけど貸せない」

私はきっぱりと断った

ゆい「もぉ」

ゆいは少し拗ねちゃった

私「他の人だったら貸してくれるかもしれないよ??」

私はそうフォローした

しかし貸してくれる人はおらずまた給食当番の白衣にガーゼマスクをしなければならなくなってしまったのだ

 

 

2限が終わりエプロンを借りに行くために家庭科準備室へ向かった

ゆい「失礼します、先生エプロン忘れました」

先生「またゆいさん忘れたんですか?」

ゆい「はい、すみません」

先生「前回のと同じだからね?ちゃんと着なさいよ」

ゆい「はい、わかりました」

先生「はいどうぞ」

先生から巾着袋を受け取った

ゆい「ありがとうございます」

先生「次忘れたら成績ないからね」

ゆい「はい、すみません失礼します」

 

 

家庭科室へ向かい私はエプロンに着替えたがゆいはギリギリまで白衣姿に着替えよっとはしなかった

段々とみんな集まってきてようやくゆいも着替えはじめた

巾着袋から白衣と帽子を出し着始めた

前回とは違い髪を帽子の中へしっかりとしまっていた

最後にガーゼマスクを取り出した

前回とは違い洗濯されたマスクは横が少し萎れているように見えた

ゆいは顔にガーゼマスクを当て耳に紐かけた

チャイムが鳴りなり授業が始まった

先生「まずは身だしなみから」

先生は周りを見渡した

先生「はい、ゆいさんマスクを鼻までしてください」

ゆいのガーゼマスクは洗濯してゴムが伸びており顔にフィットしていなかった

ゆい「はい、すみません」

鼻までマスクを上げるがすぐに下がってしまった

 

先生「今日はハンバーグを作っていきます」

先生の説明が始まった

その間もゆいのガーゼマスクは下がってくるので鼻まで上げるのを繰り返していた

説明のメモを取りふとゆいの方を見てみると鼻までマスクをしっかりしていたのだ

よく見てみるとひもはぴーんと張っており横の方は絞れていたのです

 

先生の話が終わり各斑へ別れていった

私「ゆい〜マスクちゃんとしてるじゃん?」

ゆい「ゆるゆるだったから紐を縛ったの」

ゆいのガーゼマスクは密着していたので口を動かすたびに動いた

私「きつそうだけど大丈夫?」

ゆい「縛るとこミスっちゃってきついの」

男子1「ゆいのマスクめっちゃきつそうじゃん」

男子のいじりが始まったのだ

男子2「こんな紐ぴーんと張っており俺だったらダサくてつけてられんね」

ゆい「しょうがないじゃんゆるゆるだったんだから」

私「ゆいをいじめるな」

私は怒りながら言った

男子は静かになり黙々と作業をし始めた

 

野菜を切り肉をコネて焼いた

私「よーしうまくできた」

ゆい「先生できました」

先生「上手にできましたね、食べ始めてもいいですよ」

私達はエプロンを脱ぎ始めた

私は片付けがあるので三角巾を取りマスクを外した

ゆいは帽子を外しキツキツのガーゼマスクを外した

するとゆいの顔には紐の跡がくっきりとついていたのだそんなことを知らないゆいは

ゆい「はぁ苦しかった」

ガーゼマスクを外せて嬉しそうだった

するとすかさず男子たちが

男子1「ゆいの顔に紐のあとついてるよ」

男子2「恥ずかしっ」

男子二人は笑いながら言った

ゆい「え?ほんと?」

ゆいは慌てて鏡を見た

ほっぺにくっきりと4本線が入っていた

すぐに手でほっぺを隠した

ゆい「ねぇ見ないでよ」

結は顔を手で抑えながら言った

ハンバーグを食べているときもなるべく手で隠しながら食べていた

 

こうして2週目の家庭科実習は終わったのだ

 

 

 

私の愛用マスク


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

立体マスク初着用

 

この話は新型コロナウイルスが発生しまだ感染予防対策やマスクの着用が義務される少し前の話

 

 

 

私の名前はあおの。普通の学校に通うjkだ。

私はマスクのするのが苦手だった。インフルエンザが流行ったときも基本的にはつけなかった。口や鼻が覆われ、あの息が詰まるような密着感とても好きにはなれなかった。

特に立体タイプのマスクは、つけている人のを見るとよくあんなダサいのつけてられるなって思っていたほどだ。

 


ある日のこと学校を出かける支度をしてるとき

お母さん「コロナが流行ってるんだからマスクをしなさい」

と言われ不織布のプリーツマスクを渡された

私「えぇー、苦しいからやだよ〜」

私はすごく嫌な顔をしながら受け取りポケットに入れ支度をした

コロナのニュースを見ながら朝食を食べ制服に着替えゆっくりしていたら

お母さん「もう6時30だよ、早く行かなくていいの?」

いつも出発する時間になっていた

私「は〜い」

私は急いでカバンを持ち玄関で靴を履いた

お母さん「マスクは忘れずに持った?」

私「持ったもった」

そう言って私は駆け足で学校へ向かった

 


行く途中友達のふみちゃんとあった

私「おはよ〜」

ふみ「おはよ、今日も走って元気だね」

ふみちゃんは振り返りながら言った

私「ふみちゃんマスクしてるじゃん」

学校では8割くらいの人がマスクを着用しているがふみちゃんも私と同じでマスクをしてなかった

ふみ「流行ってきてるからママにマスクしていきなさい」

ってプリーツのマスクを動かしながら言われた 

ふみちゃんもついにマスクデビューかと思いながら登校した

 


学校に着きいつもと変わらずに談笑していた

ガラガラっと扉をあけ先生が入ってきた

先生「みんなおはよう、ホームルーム始めるから席について」

談笑をやめ、私は席についた

みんなも席に付き静かになった

先生「皆さん、おはようございます」

みんな「おはようございます」

先生「最近コロナウイルスが流行ってきており感染予防対策として学校では基本的にはマスクを着用して生活するようにと方針が決まりました」

マスクをつけてない人からは

「えぇー」

と批判する人もいたがポケットやカバンからマスクを出し着用し始めました

私もポケットに手に入れてマスクを探したが

あれれ?ポケットにいれたはずのマスクがない

急いでカバンの中などを探しているけど見当たらない

先生「あおのさんマスクはありますか?」

と言われ周りを見渡すと私以外プリーツマスクをして全員私の方を見て待っていた

私「すみません、マスクポケットに入れたと思ったら入ってなくて持ってないです」

先生「マスクない人は学校から支給するのであおのさん前へ取りに来てください」

私は席を立ち先生の方へ向かった

先生は教卓から超立体と書かれたピンク色の箱を取り出しペリペリと箱を開けた

先生「はい、どうぞ」

私「ありがとうございます」

私は半分に折られたマスクをもらった

私は思ってた形のマスクとは違ったので

私「先生このマスク変じゃないですか?」

って質問したら

先生「普通のマスクですよ、早く席に戻りなさい」

と言われ納得しないまま席に戻った

席に座りマスクをつけようとするとあれどうやってこれつけるんだって思っていると隣の男子のしおんくんが

しおん「紐のところめくって剥がすんだよ」

そう言われなると

なるほどと思いながら剥がしてマスクを広げた

やっぱり変な形だなって思いながら

鼻にマスクを当て耳にマスクの紐をかけた

先生「全員マスクをつけれましたね?感染予防対策のため外さずに鼻までしっかりするようにしましょう」

みんな「はーい」

ホームルームがその後も進んでいると

しおん「それマスク上下逆じゃないか?」

私「そうなの??」

私は急いでマスクを外し確認した

上下逆さでつけていたが私は超立体マスクをつけたことがなかったので逆さだと知らずにつけていた

私「逆だった?教えてくれてありがとう」

私は恥ずかしそうに顔を赤めながら急いでつけ直した

立体マスクを正しくつけるとすごい密着感

ウイルスからも守ってくれるような安心感があった

この密着感が今までは嫌いだったがなんだか好きになってきていた

 


ホームルームが終わり1限の始まる準備をふみちゃんと雑談しながら準備していると

ふみ「なんかそのマスク変わった形してるね」

私「だよね?やっぱ変な形だよね?」

ふみ「あおのちゃんだけ形違くてなんか良いね」

私は周りを見渡した

みんなはプリーツタイプのマスクをしているが私だけ立体タイプのマスクをしているので一人だけ浮いている気持ちになった

しおん「あおののマスク鳥のくちばしみたいだな」

しおんは笑いながら言った

私「このマスク恥ずかしいんだからそんなこと言わないで」

私は顔を隠しながら言い返した

 

 

 

あとがき

始めてこういうのを書いてみてうまくかけているかわかりませんが最後まで読んでくださりありがとうございます。

書き始めると色々と妄想がふくらみもっと書きたいってなりました

マスクフェチになった人はコロナで増えたと思います。マスクフェチの方は感想とか聞かせてもらえると嬉しいです

 

最後に今回の話でできたマスクの紹介